ラブ・マスター? 【ラブレッスン番外編】
遠ざかる距離
『ごめんなさい。今忙しくてまだお昼に入れそうにないの。

食べ終わったら容器は休憩室のどこでもいいから置いておいてくれれば帰りにでも取りに行くわ』





そう言われて渡されたお弁当箱。





「そうですか。忙しいのにわざわざ届けてくれてありがとうございます」





翌日の昼、メールで待ち合わせして屋上へ向かった俺に由宇さんはそう告げて慌ただしく去っていった。




忙しいならメールで時間ずらしてって言ってくれれば良かったのに。




最初はそう思っていたんだ。






だけどそれから毎日、『忙しいの』とお弁当だけ渡して仕事に戻っていく由宇さん。





……もしかして避けられてる?





屋上で迫りかけたせい?




あの日屋上にやって来た沢木さんに何か言われた?





もしかして由宇さんは部長とお昼食べるようになった?





避けられる理由に思い当たる出来事や妄想がありすぎて絞りきれない。





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