ラブ・マスター? 【ラブレッスン番外編】
チラリと隣の由宇さんを窺えば、赤い顔で繋いだ手を見ている。




俺だけじゃなくて、由宇さんもドキドキしてくれてるんだ。




そんな些細な事が嬉しい。




『あ、この先って確か…』



「え?あぁ、姉貴の店がある通りだ。寄って服でも見ようか?」





『やめとくわ。あなたが退屈しちゃうでしょ?』




一緒に見てれば退屈なんてしないよ。

前は俺よりも姉貴に全部任せた方が由宇さんも選びやすいかなと思って席をはずしてただけだし。




「ちらっとだけ覗いて、欲しいものがなければすぐに出ればいいじゃん」




由宇さんの手を引いて、姉貴のショップ目指して少し早歩きした。




『ちょ、ちょっと、別にいいってば!聞いてる?結城歩!』




ピタリと歩みを止める。




「何で…」




『何でって今日は服を買いに来たわけじゃないし…』
「そうじゃなくて!」




ちょっと怒鳴り気味の俺に由宇さんは小首を傾げた。








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