ラブ・マスター? 【ラブレッスン番外編】
急に恥ずかしくなって俯き繋いだままの手を見てた。




『あ、あゆっ…歩っ』




え?




顔をあげると真っ赤な顔の由宇さんと目が合った。





『慣れるまでは、またあなたとか言っちゃうかもしれないけど、あ、歩って自然に呼べるように努力するわ』






「由宇さん……」





『その代わり!あ、歩も“さん”付けはよして?』





まだ言うのに抵抗があるのかどもりながらも“歩”と言ってくれた。




俺のくだらないワガママな要求もすんなりと受け入れてくれる。





「うん。そう言ってくれるなら俺も由宇って呼び捨てにする」





たかが名前。




だけど呼び方一つですごく近づけた気分になるから不思議だ。





こんなやり取りから始める俺たちってちょっと幼い?



なんだかくすぐったくて照れ臭い。




でも悪くないな、なんて。




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