ラブ・マスター? 【ラブレッスン番外編】
中で秋物新作のブラウスを眺めている由宇さんの側に近寄ってボソリと呟いた。



「…さっきまでは店に寄らないって言ってなかったっけ?

あんな風に手振り払われて傷ついたんですけど」





『ちょっ…!お姉さんに聞こえちゃうじゃない!

せっかくどうぞって言ってくれたのに断るなんて悪いでしょう!?

それに、お姉さんにあなたと、い、イチャイチャって言われて恥ずかしかったのよ!』





「あ、今由宇さん“あなた”って言った」




『あっ…

で…でもそっちだってまた“さん”付けしてるわっ』




「あ…ほんとだ…」




お互い目を見合わせて…





「プッ…」
『ふふ…』




服そっちのけで笑ってしまった。




今までずーーっと、“由宇さん”って呼んでたからいきなり変えるのって難しい。





「徐々に、だね」


『そうね』





またふたりで笑った。









……そしてまた姉貴にからかわれた……




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