ラブ・マスター? 【ラブレッスン番外編】
「約束の時間過ぎても来ないから迎えにきたんだ。さあ、行こうか」




由宇の肩に手を回して、伊東に会釈した。




「それじゃ失礼します」




声をかけても間抜け面でこちらを見ているだけで何も言えないでいるようだった。





『遅くなってごめんなさい。ちょっと最後のお客様の電話に時間がかかっちゃって』





「別に仕事で遅くなるのは構わないよ。

それよりあの伊東ってやつは、いつも由宇に対してあんな気安く触れてくるの?」




ジロリと横にいる由宇を見て尋ねると、ちょっと申し訳なさそうな表情になった。





『私だけじゃなくてね?誰に対してもあんな感じなの。

だからそんな気にしなくても大丈……』

「気にするよっ!」





由宇だけじゃないから安心て事じゃない。




「由宇、それって由宇が不快だと思って、仕事が苦痛になるようならセクハラ、またはパワハラに当たる出来事なんだよ?

それに、皆やられてるから平気なんて思ってて、もし行為がエスカレートしたらどうするの?

もっと危機感持って」





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