ラブ・マスター? 【ラブレッスン番外編】
カラッポのカラダとココロ
『……む……おい歩っ!聞いてんのかよ!?』
「…聞いてなかった。もう一回話して。」
学校の教室内、窓側の席に座りながら頬杖を付き、ボーッと外を眺めてた俺の目の前に手をヒラヒラとさせながら声をかけてくるマサ。
窓の外からマサへと視線を移すと不思議そうな顔で俺を見ている。
『もう下校時間だから帰るぞって言ってるんだけど?』
言われて周りを見てみると、残ってるのは俺とマサを含めて数人しかいない。
机の脇にかけてる鞄を手にとって立ち上がる俺にマサは今度は心配そうに声をかけてきた。
『今日は一日中心ここにあらず、って感じだな。何があったんだよ。』
「別に何も?」
そんなの嘘だって顔で見られて顔を背けた。
昨日由宇さんの名前を知って、喜んだのも束の間。
会いに行ったらいなかった。
しかもどこにいるかなんて見当もつかない。
もう会えない。
その事がはっきりとわかってから、何も考える事が出来なかった。