ラブ・マスター? 【ラブレッスン番外編】
『会う度に歩が気になって、でも歩が二人きりになる相手はみんなさゆりちゃんとは違う積極的な子ばかりだったって。

自分も積極的になれば、歩の好きそうな子になればそこから歩と仲良くなれるかもしれないって、さゆりちゃんは小さな希望を持って決死の思いで歩に近付いたの。

その時のさゆりちゃんの決意とか歩はわかる?
勇気振り絞って歩に声をかけたさゆりちゃんの気持ちわかる?』




しゃがみこみながら鞄を手に持ち下から睨み付ける姉貴。





『さゆりちゃんは、歩とその時だけを楽しめばいいなんて思ってなかったんだよ。

でもラブホに行って気付いちゃったって言ってた。

歩は…自分の事なんてちっとも興味ないんだなって。ここで関係持っても、仲良くなれないんだって。

そう気付いてそのまま言い訳して逃げ帰ったって。』





「逃げ帰ったって…」





思い出した。





確かラブホに行ってヤろうとして服を脱がしてた時に急にストップかけた子がいた。




トイレに駆け込んで出てきたと思ったら“生理になった。だから出来ない”って泣きそうな顔で謝ってホテル代全額置いて出ていった子。




それがさゆりって子だ。間違いない。




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