ラブ・マスター？ 【ラブレッスン番外編】

『なぁ〜結城の知り合いとか集めて合コンとか開催してくれない？』





会社の喫煙室で二人でいるとこんなお願い事をされて白岩チーフには気づかれないようにため息混じりに煙を吐き出した。





「すみません。今はまだ仕事に余裕が無いんで勘弁してください。」






『お前、息抜きも必要なんだぞ〜。大体仕事ばかりで根詰めてると……』






俺には合コンは息抜きになんてならないよ。





なんて言葉言えるわけもなくて、曖昧な笑みを浮かべて白岩チーフの講釈を聞き流す。






そんな時、喫煙室の扉が開く音がして白岩チーフと二人入り口を見ると、一人中へと入ってきた。





『相田部長！こっちの喫煙室使うなんて珍しいっすね！』





相田部長って確か…企画部の？




若くして課長、部長とどんどんと出世していったすごい人だって聞いた事がある。




『営業部にちょっと用があってね。その帰りだからだよ。』





低いバリトンボイスに甘いマスク。
その上、上質そうなスーツを着こなしてる姿は、男の俺から見ても格好良く見えた。