ラブ・マスター? 【ラブレッスン番外編】
次の日からの白岩チーフは人が変わったようだった。



派遣の子にちょっかいをかけるのを止めただけでなく、あれだけしつこく『合コン相手探せ』と言って来てたのにそれも無くなってた。




喫煙室で相田部長と話した日から2ヶ月後。


相田部長の言う通り白岩チーフは見事社内コンペを勝ち取った。



出した企画は来年度から進めてくらしいけど、早々と企画部へ時期外れな異動が決まって。




異動の前日、ささやかながら営業部で白岩チーフのお祝い会が催される。




営業部長の隣に座り、反対となりには、お気に入りの派遣の子を座らせる辺り、白岩チーフらしいなと笑ってしまった。




酒も進み、場がそうとう和んだ頃、白岩チーフに酌をしに行く。





「営業のノウハウを教えてくれてありがとうございます。明日からは一人でやっていきます。」




グラスにビールを注ぎながら軽く頭を下げる俺に、酔って上気させた頬を緩めたまま肩を組まれる。





『お礼は合コンセッティングでいいから!あ、俺が企画部で慣れてきた頃に頼むな?』




合コンて…忘れてなかったのかよ。




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