零度の華 Ⅱ
"狼、愛してる"
『......ッく』
下唇を強く噛みしめた
血液が急速に逆流する感じに襲われる
厭わしい
吐き気がする
あたしは刀に付いた血を振り払い、鞘に収めた
雲雀が利用しているデスクから零(ゼロ)に繋がる物を全て収去する
警察に見つかって、アッサリ逮捕じゃシャレにならない
あたしは前もって準備していた、警察宛への手紙といつものカードをデスクの上に置いて行く
そして、あたしは非常階段を使い34階に降り、エレベーターに乗り換えると急いでその場を去った
マンションに戻ってくると、自分の家に入りシャワーを浴びる
『いたっ!』
そういえば、鯱(オーカ)の銃弾がところどころ掠めていたことを忘れていた
それだけ、心が乱れていたのかと思うと自分に腹立たしい
あたしは自分が映る鏡を思いっきり殴った
すると、鏡に罅が入り小さく複数にあたしの姿が散らばる