零度の華 Ⅱ
あたしは携帯電話を取り出し、烏(クロウ)に電話を掛ける
「もしもし」
『烏(クロウ)、泊めてくれ』
「はい?」
『今、○○公園にいるから』
「え、ちょっと、」
一方的に話を進め、一方的に電話を切った
公園のベンチに座って待つこと10分
1台の車が公園の前で止まった
あたしは黒塗りの車に近づくと、運転席から烏(クロウ)が出て来た
「頼むにしては一方的ですね。説明してください」
『家がなくなった。だから、家に泊めてくれ』
「雑ですね。大体、殺し屋に家を教えるなんて自殺行為をするとでも?」
『お前を殺しても、何の得にもならん』
「価値がないと言うことですか。言ってくれますね。まぁ、一応仕事を貰っている身なんで、断れません。乗ってください」
『いや、いい。足はある。ついて行く』
公園の端に止めていたバイク指さす
これから先足がないのは不便だと考えてバイクは持ってきた