零度の華 Ⅱ
翫弄物(がんろうぶつ)~全てが零(ゼロ)の玩具となる~
「...ろ。ぜ......ろ。零(ゼロ)」
『...ん』
目を開けると烏(クロウ)の顔が近い
キスできる、そんな距離
「おはようございます」
清々しい顔で挨拶するコイツは、近いってことに気付いてないのか?
『......近い』
「リアクションなしですか。まぁ、期待はしてませんでしたけど、男女が1つ屋根の下にいるのに何も思わないんですか?」
『あたしがそんなこと気にするような女に見えるか?』
「見えませんね」
はっきり言うな
一応、これでも女としての自覚はある
烏(クロウ)はあたしから顔を離す
離れたと同時に体を起こして背伸びをし、眠気を吹き飛ばす
『ヤりたいのならすればいい。可愛げのないあたしで良ければ相手になるぞ?』
あたしは妖艶に笑って見せると、それに釣られるようにあたしのもとに顔を近づけてきた