零度の華 Ⅱ

1階には、生活するために欠かせないところが揃っていて、2階は寝室にフリー空間がある


フリー空間はリビングと比べものにならないくらい広く、何も置かれていない




まさに、無



案内も一通り終わり、リビングへ戻ってくる


あたしは2人掛けのソファーに腰を下ろすと、その横に烏(クロウ)が座ってきた




ソファーはもう1つ、1人掛け用のものが置いてあるのにもかからわず、隣にだ





『何故、横だ』


「何となくです。嫌でしたか?」


『別に』




素っ気なく答えるあたしに、クスッと笑う烏(クロウ)

何なんだ、コイツは



今まで関わってきたことのない人間で、調子が狂いそうだ




あたしは烏(クロウ)を視界に入れずにボーっとしている




「あっ」


ふと、何かを思い出したように声を上げたので、ついつい烏(クロウ)に目を向けた




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