零度の華 Ⅱ
「少しでもお前の情報を入手するため。もしかしたら、お前が現れるかもと鷹見警部に言われたから」
ほう、さすが鷹見警部だ
よんでいたというわけか
もっと早くにシークライト軍に目を付けるべきだったな
『俺の情報は掴めたか?』
「全く収穫無しだ」
当然か
シークライト軍に入っても、あたしを知る奴なんていないからな
依頼をした奴も直接零(ゼロ)に会ったと答える者はいない
情報屋ICE(アイス)なら、と答える奴はいるだろうが、零(ゼロ)とイコール付られることはない
「次は僕の番だ。素顔を見せろ」
『無理だ。自由が利かなくなるじゃねぇか』
「情報を渡すと言ったのはお前だぞ」
『断らないとは言ってない。素顔なんてすぐ分かる。だから、他に良い情報を教えてやる』
椅子から腰を離し、祭壇の上に飾っている十字架の下まで移動する