零度の華 Ⅱ
見上げれば十字架と女神が被る
『俺がMIUNIT(ミニュイ)を殺した理由。知りたくないか?』
振り返り藤沢を見る
無言を返事と受け取り話を続けた
『あれは、一言で言えば正当防衛。向こうが先に俺を殺そうとしてきた』
「仲間だったんだろ?仲間からも嫌われていたのか」
『フッ、アハハッ』
笑えば眉間に皺を寄せる
『仲間?お前はこの軍に入り、集団で行動して仲間と思ったことがあるか?』
「ない」
『それと一緒だ。俺にとってあそこは玩具であり駒だった。それ以上でもそれ以下でもない』
「ゲスな野郎だ」
『何とでも言え。今日はここまでだ。まだ聞きたいことがあるなら明日もここに来るといい。時間は...今の時間だな』
携帯電話を取り出し時間を確認すると21:10と示されている
丁度いい時間だ