零度の華 Ⅱ



あたしは真っ直ぐ扉に向かって歩いて行く

藤沢の横を通り過ぎて




背を向けているのにも関わらず、仕掛けてこないのは信じているからか

それとも、奪われるという恐怖からか



扉の前までくるとピタッと止まり、振り返って藤沢を見る




『最後に裏、特に殺し屋組織は今荒れている。近づかない方が身のためだと上に伝えとけ』




それだけ伝えるとあたしは家に帰る





翌日、翌々日とあたしはあの協会へ行き、藤沢と情報交換をする



あのことは上に伝えているらしい


でなきゃ、あたしから貰った情報は報告できないからな





シークライト軍が警察に何も言われないのは藤沢が入っているから


他にも色々と聞かせて貰った


その分、情報も渡している




だが、どちらも重要な情報は教えない


探り合いの駆け引き



......先にどちらが堕ちるか



< 175 / 420 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop