零度の華 Ⅱ
あたしは真っ直ぐ扉に向かって歩いて行く
藤沢の横を通り過ぎて
背を向けているのにも関わらず、仕掛けてこないのは信じているからか
それとも、奪われるという恐怖からか
扉の前までくるとピタッと止まり、振り返って藤沢を見る
『最後に裏、特に殺し屋組織は今荒れている。近づかない方が身のためだと上に伝えとけ』
それだけ伝えるとあたしは家に帰る
翌日、翌々日とあたしはあの協会へ行き、藤沢と情報交換をする
あのことは上に伝えているらしい
でなきゃ、あたしから貰った情報は報告できないからな
シークライト軍が警察に何も言われないのは藤沢が入っているから
他にも色々と聞かせて貰った
その分、情報も渡している
だが、どちらも重要な情報は教えない
探り合いの駆け引き
......先にどちらが堕ちるか