零度の華 Ⅱ
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午後9時5分
薄気味悪い教会で、ある人物を待っている
ギィィと古びた音と共に入ってきたのは藤沢
あたしの方へ向かってくる足音だけが響く
それはあたしの前にくると消えた
「今日は、」
『その前に』
藤沢の言葉を遮り、被っているフードを取ってみせる
怪訝そうに見る藤沢に告げる
『素顔、見たくないか?』
目を見開き驚く
「どういう風の吹きまわしだ」
今まで何も教えなかったから疑問を抱くのは当たり前だ
そして、警戒するのも
『嬉しがれよ。知りたかったことだろ?』
「不気味でしかない」
『じゃ、見せねぇよ。こっちは捕まるのは嫌だからな』
「待て!...見せて、くれ」
鬼の面越しにニヤリと笑う