零度の華 Ⅱ
『てめぇ、嘘ついたな?』
「嘘なんかついてない」
『とぼけるな』
あたしは殺気を放ち、小刀の刃を強く押し当てると同時にもう片方に握られた注射器を藤沢の腕に刺す
それを気にさせないため、殺気と小刀でカモフラージュさせる
首元は少し切れツーッと血が首を這うようにして流れる
「とぼ、けてなんて、いな、い」
『お前の子供は女か男か?』
「お、とこ」
『あたしは最初、娘と言った。だが、否定しなかった。これは嘘をついているよな?』
「ッ!!す、すまない!気が付かなかったんだ。だから、2人を見逃してくれ!!」
注射器の中身もなくなったところで、あたしは注射器と小刀を同時に離した
そして、見つかることのないように素早くポケットにしまう
物理的な解放感を得るも、精神的な解放感は得ることが出来ない藤沢