零度の華 Ⅱ
『あたしは日本を飛ぶ』
「これまた、突然ですね」
『邪魔な駒を片付けるだけだ』
「悍ましいお方です」
『知ってて駒としているんだろ?』
「確かにそうですよ」
フフッと笑って見せる亜紀の笑顔は、怯えを知らず妖艶に見えた
あたしはメールを送りながら亜紀に言う
『お前も行くか?』
「珍しいですね。私を誘ってくれているのですか?」
雑誌をテーブルに置いて、あたしの方に視線を向ける
あたしも亜紀から借りたパソコンから視線を外せば、亜紀に向ける
『主に4ヵ国は回る』
「ハードですね」
『仕方ないだろ。消すのを忘れていたゴミを幾つか放置し過ぎた』
「私はパスです。殺しをするとしても面倒なことは嫌なので。それにパスポートを持っていません」
最後の一言を聞いて疑問に思った