零度の華 Ⅱ





冗談のつもりで言った亜紀の言葉に、妙に真剣な顔持ちで答えるあたしを見て、亜紀から笑顔が消えた


何かがあるのではないか、と悟るだろう




それでいい


あたしの言葉を軽くは思っていないだろうが、危機感を与えておかないとあたしまで危険に巻き込まれることになる


それだけは嫌だからな



本当のことを言うと、鷹見が目を光らせている間は動かない方がいい

そんなこと言っても亜紀は聞き耳を立てやしないのが予想つく


亜紀もあたしと同じ性分だと分かる




『嵐が起こっても巻き込むなよ』


「起こしませんよ。私も嵐だけは嫌ですからね」





そう言って再び雑誌に伸ばそうとした手を止めた


不思議に思ったあたしは亜紀から目線を離せない





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