零度の華 Ⅱ
「僕も忙しいんだけど」
『運び屋がそんなこと言うのか?俺は顧客だぞ。まぁ、断るなら他を探すだけだ」
「............あー、もう!!!やるせないな。僕が断れないこと知ってて言ってるところが腹立つ」
『断れないことはないだろ?断ってもいいんだぜ?』
運び屋にとって顧客は失いたくないものだ
運び屋に限らず顧客というものは大事なものだな
依頼を断るイコール自ら顧客を断つという思考の鼠(マウス)にとっては、依頼は断れないものとなる
鼠(マウス)はチッと小さく舌打ちをすれば、断らないと言って仕事内容を聞く
『この前と同じ国だ。場所は変わりはしない』
「いつ日本(こっち)を飛ぶ?」
『明後日』
「お前には前もって早めに頼むという考えが浮かばないのか?できないのか?」