零度の華 Ⅱ
2日が過ぎるのはあっという間だった
亜紀に空港まで送ってもらい礼を言って別れる
鼠(マウス)との待ち合わせ場所に行けば、既に鼠(マウス)はそこにいた
『早いな』
「!?」
『どうかしたか?』
「お前......女、だったのか?」
そうか、鼠(マウス)はあたしが女だということを知らないんだったな
服装は男物のスーツを着て声も低く、ウィッグもしているが顔付きが女っぽいんだろう
それで女だと思ったんだな
だが、半信半疑だ
今までマスクをしていたから本当の顔は知らない
だから、戸惑っているのも無理はない
『俺は男だ。そんなに女に見えるのか?』
「い、いや。半分半分だ。男に見えなくないし、女にも見えなくはない。僕はお前の素顔を知らない、だから比べる素(もと)がない。断定できるはずないだろ」