零度の華 Ⅱ
もしかしたら治ったのかもしれない
「羽空、聞いてもいいですか?」
亜紀に声をかけられ、今まで考えていたことを頭の隅へとやる
『何だ』
なるべく左手を使わぬように起き上がった
「赤ん坊と一緒に渡したあの手紙には、なんて書いたのですか?」
『手紙の内容まで見ていなかったのか?』
「えぇ。ただ察しただけですので、詳しく内容は把握していません」
『そうだったのか』
あたしは記憶を辿り、ローズに無理矢理渡した手紙の内容を淡々と話す
《赤ん坊の名は"望"。必ず迎えに行くから、その時まで預かってほしい。必ず、迎えに来る》
たったそれだけの文だった気がする
「それだけで預かってくれるのですか?」
『大丈夫だろ。あたしと繋がる手段となるのだから』
情報屋ICE(アイス)と繋がることで殺し屋零(ゼロ)へと辿り着こうと考えているから、チャンスだと受け取るだろうな
情報屋ICE(アイス)が殺し屋零(ゼロ)だと知らずに