零度の華 Ⅱ
その時、キィィと古びた音を立ててドアが開いた
そこに立っているのはスーツに白衣とミスマッチな格好をしている一人の男
「目が覚めていたんですね」
『お前のおかげで助かった』
「礼ならソイツに言って下さい。初めてここに誰かをつれて、助けを乞いてきたのですから」
「嘘は止めろ」
初めて亜紀が敬語を使っていないところを聞いた
あたしは亜紀に視線を向けて違和感を感じ、白衣の男をもう一度見て気が付いた
『兄弟、か?』
そう言うと白衣の男が驚いた様子を見せる
「貴女が初めてです。俺達を兄弟だと見抜いた人は」
あたしにしてみれば見抜けない奴がいることに驚く
纏う雰囲気にオーラ、それは亜紀に似ている
亜紀は見た目では腹黒とは分からず、温和で近寄りやすい雰囲気を纏っているが、白衣の男は温和な雰囲気を纏うもどこか冷たさを感じる
だが、顔に関しては全く似ていない