零度の華 Ⅱ
亜紀が垂れ目に対して白衣の男はつり目、亜紀が二重に対し白衣の男は一重
亜紀が眼鏡をして誠実さを感じさせるのに、白衣の男は耳に大きなピアスをして見た目からして不良だ
それに加え、関わるなと言っているようにも感じる
あたしではなくても普通の人間でもそう感じるだろうな
だが、これはあくまであたしの見解にすぎない
本当のところは分からない
しかし、こんなにも兄弟で違うものだろうか
『お前、名前は?』
「貴女は?」
コイツ、質問を質問で返しやがった
言いたくないのか、それとも自分から名乗るのが礼儀だと言いたいのか
まぁいい、そう思いあたしは素直に名前を名乗る
『あたしは零(ゼロ)』
それを告げると酷く驚く白衣の男
亜紀はあたし達のやり取りを見ているだけ
「零(ゼロ)って、あの殺し屋の零(ゼロ)......だと?」
『あぁ、そうだ。それで、お前の名は?』