零度の華 Ⅱ

『お前とは話が通じない。ボスと代われ』


「代わるわけねぇだろ。どこのどいつか分からねぇのに」



チッ

言われねぇと分からねぇのかよ



あたしは人通りが多いところを避け、端に移動し声を低くする




『俺は零(ゼロ)だ。いいから早く来い。客を待たせるつもりか?』



一方的に電話を切った


来るかどうかわからねぇが、来なかったら仕事だけしてフランス(ここ)を去るだけだ




空港まで車で10分程度で着くはず



それまで中で座って待つことにした

その間、電話をした奴のボスにメールを送る




《ライトは覚えているよな?俺との合言葉。そして、何故合言葉を作ったのか》



ライトとはボスの名前だ


ライトからすぐ返信が返ってくる



《あぁ。覚えているが、それがどうした?》


《ジェットの奴、忘れてやがった。今、迎えを頼んだんだが、ジェットはまだそこにいるか?》


《いや、慌てて出て行った。今君の所に向かっていると思うよ》



ジェットとは電話の相手


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