零度の華 Ⅱ
『ジェット』
名前を呼ばれたジェットはあたしに気付く
「さっきはすまない!!」
いきなり頭を下げ謝るので周りからの視線が痛い
目立ってどうするんだよ
顔を見られて困るのはお前だぞ
『話は車の中でだ。早く荷物を入れたい』
ジェットは後部座席のドアを開けてあたしの荷物を入れてくれた
あたしは助手席へ乗り車が発車する
「電話の時はすまない。忘れていた。ボスに言われてやっと思い出したんだ」
やはり、電話の時にライトも傍にいたのか
『もういい。それより面白いものって何だ』
「着いてからの楽しみだ」
今は教えてくれないということか
あたしは長時間飛行機に乗り疲れたので、車の中で楽な体勢をとる
「人の車でよくそんな体勢とれるな」
『こっちは疲れているんだ。12時間半も飛行機の中だぞ。仕事もあるっていうのに。久しぶりの国外の仕事だから...』
飛行機の中でも仕事をいないといけないぐらい溜まっていた