零度の華 Ⅱ
事は順調に運んでいるが、面倒臭い
ここまであたしを敵視してくるとは、思わなかった
予定では、あたしかMIUNIT(ミニュイ)を狙う者がいるかの二択で混乱させるつもりだったんだが、こんなにもあたしに限定されるとはな
雲雀の奴、やってくれる
ついつい笑みがこぼれた
でも、まぁ、好都合だ
上手くあたしの手の中で遊ばれてくれよ
零(ゼロ)殺し計画実行日の2日のこと
今、あたしは菖蒲(アイリス)に呼ばれ、駅前にいた
「お待たせしてすいません!」
『いや、俺も今来たところだ』
「あ、そうだったんですね。今日は付き合ってもらってありがとうございます」
『いつも、俺が付き合わせてしまっているからな。で、どこに行くんだ?』
「えっと、人気のパンケーキ屋があるんです。そこに行きたいなと、思っているんですけどいいですか?」
『構わない。行くぞ』
はいっと言って笑顔であたしの隣を歩く