零度の華 Ⅱ
午後5時になるとあたし達は家路へと歩みを進める
お互いの家に着くと別れ、身支度を行う
今回、あたしは何も調べていない
だから、雲雀がどうやってあたしを殺すかという作戦を知らない
菖蒲(アイリス)に聞くことも出来たが、それをしなかったのはMIUNIT(ミニュイ)に同情したからだろうか
ここで死んでもいいかも、と心の奥の底でそんな思いが生まれたからなのかもしれない
そんな気持ちはすぐ消え去ったがな
あたしはいつものように身を黒に染め、愛用の【黒刃】と【氷刃】を腰に装備し、足首には拳銃1丁
腕の辺りには小刀を1本だけ潜める
何があるか予想できないから、準備のやり過ぎが丁度いい
あたしは深く呼吸をすると、目付きを変えた
すると、タイミングを計ったかのように携帯電話が震えた