零度の華 Ⅱ

画面には〔雲雀〕の文字



『はい』


「大事な話がある。アジトに来てくれ」


『今からか?』


「あぁ。場所は俺の部屋じゃなく、暗殺部のフリースペースだ」


『は?大事な話なのにあんな場所でする必要なんてねぇだろ』


「お前1人だけじゃないからな」


『分かった。今すぐ行く』



通話を切った携帯電話をしばらく眺めた


雲雀は...いや、菖蒲(アイリス)を除くMIUNIT(ミニュイ)の全員が、あたしに今回の計画を知られてないと思っている




そして、雲雀は大事な話があるからと暗殺部のフリースペースに向かうように指示する



何もない会話に聞こえて、深い意味を成す




あたしは眺めていた携帯電話をポケットにしまった





フードを深く被り、怪しい笑みを浮かべると家を出る



< 77 / 420 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop