零度の華 Ⅱ
画面には〔雲雀〕の文字
『はい』
「大事な話がある。アジトに来てくれ」
『今からか?』
「あぁ。場所は俺の部屋じゃなく、暗殺部のフリースペースだ」
『は?大事な話なのにあんな場所でする必要なんてねぇだろ』
「お前1人だけじゃないからな」
『分かった。今すぐ行く』
通話を切った携帯電話をしばらく眺めた
雲雀は...いや、菖蒲(アイリス)を除くMIUNIT(ミニュイ)の全員が、あたしに今回の計画を知られてないと思っている
そして、雲雀は大事な話があるからと暗殺部のフリースペースに向かうように指示する
何もない会話に聞こえて、深い意味を成す
あたしは眺めていた携帯電話をポケットにしまった
フードを深く被り、怪しい笑みを浮かべると家を出る