零度の華 Ⅱ
アジトまではそう遠くないため、歩いて向かう
外は藍色だった空から真っ暗な闇の空へと変わっていた
N株式会社のエレベーターを使い、34階まで上がる
N株式会社とMIUNIT(ミニュイ)が一緒になっているこのビルは、造りが複雑になっている
表の入口、つまりN株式会社のエレベーターは34階までしか押せるボタンが無い
対して裏の入口、MIUNIT(ミニュイ)のメンバーが出入りに利用するエレベーターには、2~34階までのボタンはなく、35階からしかない
そして、一部の人間だけ知るのは非常階段以外の階段の存在
あたしは34階に着くと社長室と書かれてある部屋に入る
足を進め、一見何の変哲も無い3つの本棚のうち、真ん中の本棚を押す
ここは隠し扉となっており、中から顔を出したのは階段
あたしは疑いもなく階段を上り、35階の研究室へ入った