零度の華 Ⅱ
薬品の臭いが鼻を掠める中、あたしは役に立ちそうな物を持って37階に昇るためのエレベーターを使用する
エレベーターに乗り込んだはいいが、ボタンを押さずエレベーターの上へ登れる準備をすると、37のボタンを押した
エレベーターが動いたと同時に、用意していたロープを使って、エレベーターの上へと移動する
先手を打つには移動手段であるものを狙った方がよい
その考えを教えたのは雲雀だ
ということは間違いなくエレベーターを狙って来る
箱の中に身動きのとれない状態で銃弾が飛んでくれば、どうにも避ける術がない
面倒臭いことをしているが、エレベーターが37階に達し扉が開かれると同時に、容赦なく銃弾が放たれる
その餌食にはなりたくない
あたしの思い違いでエレベーターの前に誰もいないとなれば、嬉しいのだがそんなことはないだろ