春はすぐそこ。
突き飛ばされた時に手首を痛めてしまった

髪もぐしゃぐしゃで、

なんでお祭りの日にこんな格好しなければならないのか…

雨のせいで、花火は上がらなさそうだ

駅まであと少し、電車に乗るのは気がひけるが帰る手段がない

夏なのに、体が冷えて、熱も上がっているみたいだ

ふと、何時間ぶりかに思い出して携帯を見ると、

恐ろしい数の着信が

母からだけではなく、父からも

そう言えば、病院に行くと言ったきりだった

「家に帰っても帰らなくてもめんどくさい。」

古川からの着信は一件だけ

古川のところを離れてすぐの時間だった

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