春はすぐそこ。
その日の夜は星が見えてとても綺麗な夜だった。
無言のままリリーと古川の後ろをついていく。
「なんで後ろにいるんだよ。」
「なんでって言われても、」
「牧野がもて。」
無理やりリードを渡される。
「リリー嫌がるよ。」
「いいから。」
ぱちっとリリーと目があう。
少し緊張した。
今まで動物と触れ合ったことなんてないし、しかも大型犬で、すぐ隣にいるなんて。
リリーは大人しくて、古川の時と変わらず横をぴったりと歩いた。