春はすぐそこ。
めくっても、めくっても、その子はいない。
「転校でもしたのかな?」
まぁいっか、
アルバムをしまおうと持ち上げた時、どこかに挟まっていたであろう一通の手紙が落ちた。
「手紙?」
差出人も宛名も書いていない。
さすがに手紙の中まで見ることはできない。
「何してんだ、」
心臓が跳ねるぐらい驚いた、
いつの間にか部屋に古川が戻ってきた、
「あ、ごめん、」
「見たのか、」
「アルバムだけ、勝手にごめん、」
「別に…」