春はすぐそこ。

「うれしいわぁ。お姉ちゃんは高校生の時からアルバイトで忙しかったし、由紀はこの性格でしょ?土日が暇だったのよ。」

そういいながらパスタを取り分けてくれるお母さんに圧倒されながら。今私はおしゃれなイタリア料理屋にいる。


「ここのお店、私のお友達のお店なの、おいしいから好きなものたくさん食べてね」

「すみません、昨日からごちそうになってしまって…」

「気にしないで。私も楽しくって振り回してごめんね。お母さんも心配してるだろうから私からご連絡入れておくわね。」

「あ…いえ、母には言わないでください。どうせ仕事でいないので…」


嘘だ、今日は夜勤明けだから絶対に家にいる。

「あら、そう?お母さんなんのお仕事してるの?」

「看護師です。」

「すごいわねぇ。それなら花ちゃんも看護師目指してるの?」

握っていたフォークがぴたりと止まってしまう

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