春はすぐそこ。
「……。」
無言のまま、下を向いている。
保健室には誰もいなかった。
「勝手にあさりゃいいか…。」
授業をサボりによくここにくるため、なんとなくものの場所は知っていた。
「牧野、座って足出せ。」
「自分でやるからいい。」
かわいくねぇやつ。
「黙って座れ。」
頭を抑えて無理やり座らせた。
「…。」
2人とも無言。
渋々、靴下を脱いで足を伸ばした。
やっぱり痛かったんだな…。
「病院いくか?」
「いかない、大丈夫だから。」
少しカチンとくる。