春はすぐそこ。
時間がどれくらい経ったのかはわからないが、突然揺り起こされた
「なにしてるの…帰ったんじゃないの。」
「俺の勝手だろ。」
「…そうね。」
牧野はそう言ってからカバンをとって帰ろうとした
「家まで送ってやる。」
昼間よりは歩けているようだが重いカバンを持って帰れば、時間はかかってしまうだろう
「結構です。もう歩けるから。」
「いいから。」
無理にでもカバンを奪い取った
途端に牧野は無言になる
「電車で来てんだろ。家が嫌なら駅まで送る。」
「…わかった。」