春はすぐそこ。
△6

「やばい。寝坊した。」

鬼のような着信で目が覚めた。

ここ最近体がだるく、かと言って寝付けない日が続いていたが、とうとう寝坊してしまった。

夏休みもあと何日かで終わる頃だった

「今日もでかけるの?」

慌ただしく洗面所と部屋を行き来しているタイミングで、母が話しかけてきた

「うん。急いでるから。」

「夏休みの間何してるの?」

「なんでもいいでしょ。社会勉強してるの。」

「…なんでそんな態度とるの?」

「その話、今しないとだめ?」

半ばイライラしながら答えてしまう

「…お父さんが、明後日帰ってくるから夕飯一緒に食べに行きこう?」

お父さん、帰ってくるんだ…、
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