春はすぐそこ。

いつものごとく、口喧嘩をしながら、お店番をしていた。

「オーナー、お先に失礼します。今日は遅刻してすみません…。」

「いいのよ、明日は気をつけてね!」

いつもの笑顔でじゃあね〜と手を振ってくれる。

心まで広い素敵な女性だ。

「花ちゃん、明後日と明々後日は休んでも大丈夫よ〜。」

「??なんでですか?」

「それは由紀に聞いて〜、お疲れ様〜」

はて?なんのことやら?

「おい、帰るぞ。」

「明後日ってなんのこと?」

「あぁ、祭りがあるからだろ。」

「祭り?なんか関係あるの?」

「祭りいかねぇの?」

「行かないよ。アルバイトあるじゃない。」

「俺はその日バイト休みなんだよ。」

「そうなんだ。じゃあお祭り行くんだね。」

「…お前やっぱ天然だろ。」

「だから違うから。」

「オーナーがなんで休んでいいって、言ってたか理解してねぇだろ?」

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