春はすぐそこ。

「古川…?」

顔を覗き込んだ

「…。」

「お茶買ってくる。ここに、いるよね?」

「あぁ。」

人が多くなってきた

なんだか空気が悪かった

"板東が帰ってきた"
"繋がってる"

会話の流れからきっと板東というのは女の子

ふと、いつか見たアルバムの女の子が頭に浮かぶ

あの時、古川に彼女がいるんだと認識したことを今更思い出す

「なんか、浮かれてたんだな。」

忘れよう
元々強引に付き合うとか言われてただけだったし、

古川が誰と付き合っていたって自由だ

私は、私だから。

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