春はすぐそこ。

時間もあるし、

そう思いりんご飴が食べたくなったから出店に並んでいた

こういうの少し憧れてたなぁ、

りんご飴を手に、道の脇まで歩いた時だった

「ふぇぇーん」

子供の泣き声
迷子だろう

その子の手には風船がしっかりと握られている

すぐに周りの大人が声をかけているが泣き止まない

かわいそう
はぐれたんだね、

りんご飴を食べながらどんな子が泣いているんだろう、とチラッと見たときにその子と目があった

ん?

ピタッと泣き止んだ

周りの大人も突然泣くのをやめたことに驚いて私を見る

「お姉さん、この子の知り合い?」

「い、いえ…」

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