【完】私の秘密は.........。
俺に両親はいない
だから一人暮らしだし、結構ゆっくりくつろぐ
両親は、小さい頃に亡くなった
あれは、ちょうど小3ぐらいだったか
父さんは、俺が生まれた時に交通事故で他界
母さんは、昔から体が弱くて、俺を産むのさえ命がけだった
俺が生まれてから、ずっと入院をしていたせいで、死ぬまで1度も家に帰ってこなかった
俺はそれから親戚の家を転々とし、ようやく一人暮らしができる歳になった
どれだけ苦痛だったか
俺は父さんと母さんを恨んでるわけじゃない
ただこんな運命に巡り合ってしまったことが、すごくイラつくだけだ
何も両親を責めようなんて思ってない
それにあの頃は、別の意味で病院に行くのが楽しみだったから
「もうそんな時間か」
そろそろ8時に近づいて来た
「いってきまーす」
誰もいない家に向かって俺は言った
家を出て、俺は約束の場所に向かった
ひかりが指定してきたのは、人がたくさん集まる場所だった
なんで俺の苦手な場所を選ぶんだか
目立ちたくないのに
「お待たせー!」
ひかりがきた
一瞬で可愛いって思った
ほんと俺はどうかしてる
「ごめん、待った?」
上目使いで聞いてくるのなし!
という俺の思いも虚しく…………
「一樹?どうしたの?」
「いや、なんでも」
ひかりを可愛いなんて一ミリも思ってないからな
そんなワンピース着て、麦わら帽子を被って………
今度こそ、本当にひかりがお嬢様だと認識した