あの場所で会いましょう
No.1 失恋
私、安元遥香は…
今日一世一代の告白をします!!!!!
場所はこの学校で超絶穴場の北校舎3階の突き当たりにある倉庫前!!!
ここは、人があまり来ないのと…
生徒会が使用している倉庫なので人が寄り付かない場所。
そして、私とあの人の出会いの場所…
そんな大切なこの場所で私は告白をするのだ!!!
「はぁ…緊張してきた…」
ため息をつく私。
周囲はシーンと静まり返って、足音も聞こえてこない。
「ホントに来てくれるのかな?」
私の大切な人を呼び出すのにすごく苦労した。
それにちょっと嘘をついてしまった。
ーーー生徒会のことで話がありますので、北校舎の倉庫前で待ってます。
そう伝えたら、彼はにっこり笑って「分かった」と返事をくれた。
嘘をついてしまった…という罪悪感で胸はいっぱいで…。
彼のことだから来てくれる保証はどこにもない。
「待ったか?」
何度目かのため息をついたとき、降り注いだ声に私は驚いて声のした方向へ顔を向けた。
3階まで上がってきたからなのか…少しだけ息が切れている。
そして、変わらない笑顔で私のそばまでやって来た。
「んで、安元。生徒会の話って何?」
そう彼が尋ねてきて…
私はドキッと胸が高鳴った。
あれほど練習したのに頭は真っ白だし…。
手汗と手の震えが止まらない。
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