あの場所で会いましょう
自分のクラスへ到着し、周りの視線を全身で受け止めながら席についた。
隣の席の内宮は珍しそうに私を見つめていたから…
みんなの視線もそんなものなんだろう。
「おい、安元…何かあったの?」
声をかけてきた内宮に私はぎっと視線を向けた。
怯むかと思いきや彼はへらへら笑みを浮かべていた。
「お前が走ってくるし、全身から構うなオーラ垂れ流しだし…どーしたよ?」
知ってるなら構うなよ。
「何でもないよ」
そう言うと、内宮はため息をついて私の手をとった。
「委員長ー!生徒会長が気分悪いみたいだから保健室行ってくるわー!」
クラス委員に声をかけると教室から出てスタスタ歩き出す。
「ちょっ!?内宮!?」
気分悪いとも言ってないし、保健室なんて行かなくても平気だし!!
そもそもこの道、保健室とは真逆だし!!!
「ちょっと悩める生徒の相談に乗ってくれよ、生徒会長サン?」
にやっと笑う内宮は屋上へと繋がる階段を上がっていった。
悩めるって、内宮に悩みなんてないでしょ。
「んで、悩みって?」
仕方なく話を聞こうとすると、内宮は地べたにごろーんと寝転んだ。
え…?なにこの状況。
「悩みあるのはお前だろ?どーせ、岡崎絡みだろうけど」
非常に痛いところをつかれた…。
誰にも言ってなかったのに…そんなに分かりやすかったのかな?
「何で岡崎先生絡みってなるのよ…」
必死に誤魔化そうとするけど、内宮はにこにこ嫌な笑顔を浮かべた。
「お前が岡崎のこと好きなのクラス中が承知だよ?みんな結構応援してるし、お似合いって話してるぜ?」
ーーーーーっ!!????
内宮の突然のカミングアウトに言葉がでなかった。