あの場所で会いましょう
「岡崎のどこが良いんだよ?」
そう言われると、初めて出会った日のことを思い出した。
ーーーあれは高校三年生の春。
入学以来、私は生徒会に所属していた。
あの北校舎の倉庫前で私は1人青空を見上げていた。
真っ青な空に生徒会のことで悩んでいた。
会長がまさかの転校で繰り上がりの生徒会長になってしまった。
その責任の重さに1人苦しんでいると迷い混んだ岡崎先生がいた。
「はぁ…はぁ…ここさ、どこ?」
眉間にシワを寄せていた岡崎先生に私の悩みは少しぶっ飛んだ。
校舎なんてそんなに広くないのに…どうしたのだろうか?
「岡崎先生はどこへ行きたいんですか?」
「え、職員室だよ。」
真顔でそう言う岡崎先生に私は笑いが止まらなかった。
職員室は中央校舎の一階にある。
ここは北校舎の3階なのに…。
「岡崎先生…方向音痴すぎ!」
ゲラゲラ笑う私はもう悩んでいたことなんて消えちゃって、岡崎先生のことをずっと笑ってた。
それから岡崎先生は何かと話しかけてくれて…
お互いに愚痴を言い合ったり…
とても楽しかった。
いつしか教師としての信頼から…異性としての憧れへ変わった。