あの場所で会いましょう
No.2 過去と今の苦しみ
内宮と1限目をサボって教室に戻り、授業に集中出来ず気づけばお昼休み。
「ねぇねぇ、知ってる!?イケメンの新しい先生が来たの!」
「知ってる!3年1組の数学担当でしょ!?羨ましいよねぇ」
食堂へ向かう道中でその声に私はパタリと足を止めた。
3年1組は私のクラスだし…
数学ってサボった1限目だ。
少し胸に引っ掛かるものを感じながらも昼ごはんを買って、教室へ戻るために学食をあとにする。
胸に残るモヤモヤが私の心を掻き乱す。
きっと夢のことも原因で心が乱れてしまっていると思う。
ーーー遥香…
あの優しい笑顔に騙された私が悪かった。
ーーー遥香、好きだよ
あの人の優しさに甘えてた私が悪かった。
ーーー遥香は俺の婚約者じゃない
あの人には大切な人がいて…
私は捨てられる前に私から捨ててやった。
過去の話…なんだ。