この結婚断固反対です‼︎
時間は22時を回っていた。

「わかりました!ではお風呂お借りします!」

なぜか大声になってしまったがそれだけを言うと、私に与えられた部屋へと慌てて戻り、まだ持ってきたばかりの大きなスーツケースから着替えのスエットをだすと、大きなため息が零れた。

なんでこうなったの?
おばあちゃんのバカ……。

私は心の中で盛大に文句を並べながら、そろそろと部屋からでてリビングの様子をうかがう。

気付かれませんように……。心の中で祈るように呟き、音を立てずにバスルームまでたどり着くころにはなぜが汗をかいていた。

初めての人の家でゆっくりバスタブにつかるのも憚られ、シャワーだけサッと済ますと、綺麗に整頓されてる洗面台の上に置かれたドライヤーを拝借し簡単に髪の毛を乾かした。

鏡に映った自分の顔は、まだ現状を飲み込めていないような不安そうな顔をしていた。


本日何度目かわからない盛大なため息をついた。
また、そろそろと自分の部屋に戻ると大きなダブルサイズのベッドに飛び込んだ。
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