風に吹かれた奇跡
「えっえ?何泣いてんの?」
すごくびっくりして杏ちゃんが、こっちを見る。

「なんでもないの。」

泣きながら笑うと杏ちゃんは少し安心した顔をした。

「ほんとうに美羽はすぐ泣くよね。」

「そんなことないもん。」

「だってまだちょっと涙出てるし。」

いつもみたいな会話をしていると

「あら?」

と言って看護師さんが入ってきた。

「こんにちは。」
杏ちゃんが挨拶する。

「こんにちは。それより杏ちゃんが美羽ちゃんのこと泣かしたの?」
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