風に吹かれた奇跡
「えっ?えっ?」
思わず顔をぺたぺた触る。

「そう言えば外出許可とかは大丈夫なの?」

「わかんないけど大樹くんのいる東京に行こうかなって思ってるよ。」

「え?大丈夫なの?だって発作とかでたりしたら。」

「日帰りにするし大丈夫だよ。」

「でも手術するほど悪くなってるでしょ。」

「あ、そういえば。」
杏ちゃんに言わなきゃいけないことがあった。

「手術決まったよ。多分わたしの誕生日の次の日。」

「……え?」

「誕生日が命日になるかもしれないじゃん?誕生日と命日が一緒なのは嫌だから1日ずらしたの。」

「まって美羽。」
困惑しながら杏ちゃんが言う。


「やっぱりもう無理みたい。」

そう言って杏ちゃんに笑いかけた。
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